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●滋賀県近江八幡市・和歌山県海南市黒江での交流会
 
 

報告3:近江八幡 ダブルハウスにて 報告:島田眞弓

■台所周り

 ダブルハウスのキッチンに立ったとき、ヴォーリスの人柄を身近に感じることができました。おいしいものを作ってみたくなる台所です。きっと自身も料理をしたのでしょう。 『あなた作る人、私食べる人』的な台所ではありません。 立ち上る煙、毎度出てくる生ごみ、流れ去る水、…の行方まで配慮した設計です。 大きな蝿帳が台所の真ん中にあり、目を引きました。それは実は換気のためのダクトで網戸がはまっていました。風は窓や扉から入ってきて網戸を抜け、換気ダクトを通 り、屋根から立ち上がった煙突から抜けていくようになっています。
 日本での初めての夏を迎えたヴォーリスは、まとわりつくような湿気と暑さに驚き、建物には風を取り込む工夫をしたのでしょう。
 湿気があるのは当たり前、よく風の抜ける大きな開口部と閉めても抜ける隙間風の、夏を旨とした日本の家屋では、設けられる設備が違います。
 食・住文化の違いを当時の人は新鮮に驚き、今の私は違わないことに驚いています。

ダブルハウスのキッチン ダブルハウス(電気の傘)
左:キッチン 右:電気の傘

■全体のこと

 可愛らしい電気の傘、ガラスのドアノブ、小屋裏まで利用している充実した収納、目的ごとに使い分けられている部屋…現代の住まいに通 ずる諸々のものが有ります。何より“主役は家族”がはっきりしています。
 私たちの一間洋館の建てられ方を見ると、主役はお客様でした。玄関脇の洋館の応接間、2間続きの和室のうち、床の間がある大きな部屋も客用、家族は小さいほうの和室か北側にある茶の間が居場所でした。格差があって当たり前の暮らしがまだまだありました。
 ヴォーリスは教え子の家を訪れたとき、お客様としてもてなされたでしょう。気さくな彼のことだから茶の間に押しかけたかもしれません。そこで、同じ畳の部屋でも格の違いがあることを知ったに違いありません。
 晩年の住まい(一柳記念館)には和室もあります。でもその使い方はひっそりと静かで慎ましやかなものです。活動的な部屋としての洋間(居間)との使い分けを見て、ヴォーリスの平らかな人柄に触れた気がしました。

ダブルハウスの外観(近江八幡市)
ダブルハウスの外観

 
 
 

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