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Contents 会の活動について 活動の目的と内容 他都市との交流
 
 
●東京都文京区での交流会
 
 
■概要
 
・日程:2001年6月2日(土曜日)
・ホスト:文京歴史的建物の活用を考える会(文京たてもの応援団)
  • 東京都文京区は、震災、戦災を免れた建物が多く残っている地域で、常に文化の発信地として日本の中心でした。
  • 文京歴史的建物の活用を考える会(文京たてもの応援団)は、文京区全域とその周辺地域を対象に、歴史的建物を残すための活動を展開しています。
  • 「建物のみならず、快適な生活を送るための環境すべてが活動の対象」とおっしゃいます。
 

■報告 報告:伊東純子

 好天に恵まれた6月2日土曜日、地下鉄・後楽園駅前に午後1時集合。まずは本郷地区の遠藤医院(明治43年築)から。強い日差しの中20名以上の大勢がぎゅう詰めに入ると、そこはめまいがするくらい時が止まっていました。洋館部分の診察室には開業医だったご主人の往診用かばんや聴診器、薬の調合室には青や茶色のガラスの薬瓶がずらりと並びまるで映画のセットのようです。残念ながら7月に解体予定。家具等は明治村に移されるそうですが、ここまで保存状態のよい空間がなくなってしまうのは寂しいかぎりです。

 
(左)遠藤医院の待合室の椅子(右)調剤室

 マンサード屋根の旧東京市営真砂町住宅、樋口一葉が通った出桁造りの旧伊勢屋質店、江戸時代からの旧足柄長屋と本郷の歴史の奥深さにやや混乱しながら、見上げると高層ビルの文京区役所が聳え立っていました。春日通 りを渡り、弓町本郷教会を過ぎると、見事な楠の木。その向かいの瀬川邸は表向き近代ビルですが奥に旧古市公威邸の和風建築が残されていました。そして明治4年築(日本最古かも)の洋館があるという、旧辻邸はヒマラヤ杉と高い塀に囲まれ異彩 を放っていました。変化の激しい東京の中心地で、それぞれの建物はそれぞれの理由・事情で残されているのですが、ビルの谷間で隠れるように存在している姿が印象的でした。

 
(左)旧伊勢屋質店(右)旧東京市営真砂町住宅

 バスに乗り、千駄木地区へ移動。旧本郷閣のステンドグラスやマントルピースがきれいに移築された特別 養護老人ホーム千駄木の郷で休憩しました。閑静な住宅街の中、安田邸、児玉 希望邸を通って山脇邸(睡庵)へ。幸運にも急遽見せて頂いたその内部は、“本物”の数寄屋造りで、柱や障子紙から建具・照明・庭石まで何もかもが洗練され、研ぎ澄まされた緊張感のある素晴らしい空間でした。何処を見ても溜息のでるセンスの良さで、ここまで感動的な日本建築が住宅で表現されていることに驚きました。

 
(左・右)山脇邸(睡庵)

 一方、最後に訪れた島薗邸は昭和7年築の蔓薔薇の絡まる洋館ですが、内部は丁寧に改修され新築の匂いがしていました。これから音楽会などに利用されるそうです。二階にある戦闘機と軍艦を描いたステンドグラス(写 真)が時代を超え美しく残っていました。
 今年一番の夏日の中、文京の建物たちは静かに歴史を重ね圧倒的な存在感で私たちを迎えてくれました。ただ、それらを失いつつあるスピードも速く、横浜に比較してはるかに緊急を要する事態です。
 たてもの応援団の方々の積極的で真摯な姿は、本当の町の姿をかけたこの長い戦いの前線に立つ戦士のようでした。心から応援し感謝します。

 
 
 

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