山下居留地遺跡の価値を考える会
山下居留地遺跡の価値を考える会 暫定ホームページ
幕末から明治にかけての外国人居留地跡である「山下居留地遺跡」の遺構は
横浜の近代史を物語る貴重な“財産”です

■山下居留地遺跡と私たちの会について■
神奈川県が現在実施している、横浜山下町地区第一種市街地再開発事業敷地において、遺跡発掘調査の結果、多くの専門家が認める、我が国の歴史文化にとって極めて貴重な近代横浜の居留地等の遺跡が出土しました。
県は年内で発掘を終え、来年早々の掘削工事着手を予定しています。計画建物は都市再生機構(UR)が事業主として行う再開発事業として進められ、NHKと新県民ホールが入ります。その建物は敷地全体にわたり、遺構全てを除去処分する計画となっています。
この貴重な遺跡の価値を正しく検証し、未来へ継承するために専門家や市民等より事業関係者等に対して遺跡の保存に関する要望書が提出されています。
「山下居留地遺跡の価値を考える会」はこの活動を推進する目的で、12月14日に設立されました。
※山下居留地遺跡の説明パンフレット(かながわ考古学財団作成)(PDF 1.2MB)
http://www.kaf.or.jp/downroad/yamashitacho.pdf (かながわ考古学財団のサイト)
※外国人居留地とは・・・
1859年(安政6年)の開港から1899年(明治32年)に廃止されるまで、約40年間にわたって存続した制度。居留地と呼ばれる開港場の一定区域に限って商取引を行い、邸宅などを構えることが許されました。横浜外国人居留地は、山下地区と山手地区にありましたが、とくに山下町一帯は外国商館などが多数存在していました。
 
山下居留地遺跡の発掘現場 山下居留地遺跡の発掘現場

山下居留地遺跡の発掘現場


●2009.8.11保存活用会議報告

 大変長らくご無沙汰しております。
山下居留地遺跡の保存活用はどうなったのだ、と言うご指摘も受けております。
今まで、経緯などを殆どご報告できずいたのは、なかなか方針や方法が確定せず、デリケートな問題もあり、ご報告できなかったというのが実情です。

 そうは言っても、会議参加者全員は結果を出さない訳にはいきませんので、協力し合い回を重ねています。
昨年より引き続き、今年は2月より8月現在まで、約月1回のペースにて延べ8回の遺跡活用の会議打ち合せが遺跡の価値を考える会、横浜市担当部局も参加し、事業者県県民部文化課、代行事業者の都市再生機構、神奈川芸術劇場設計者の間に継続的に行なわれています。

 毎回の会議打ち合わせは全て県の方針で「会議限り」とか「部外秘」と、まるで拘束状態の経緯です。
行政とはこんにも公開することを嫌うのか、何を恐れるのか、一般市民には理解できない世界です。
私達「山下居留地遺跡の価値を考える会」さえ会議に参加させれば、市民と合議したという建前だけが必要だったのかと疑いたくなります。

 遺跡活用のコンセプトや展示の方法などについて、より良い形、より解りやすい形を全参加者が真摯に討議しています。
展示方法について、活発な意見交換やそのプレゼンテーションを交わし、少しずつその形が見えてきました。展示場所やその方法はスペース、またコストや展示物による緒条件の関係もあり、制限される物もあります。

 今まで幾つものプレゼンテーションが出されていますが、それも集約されつつあります。
大きくは、
1.新芸術劇場内に展示する内容、
2.B1地区劇場とB2地区間の56番小路に活用展示する方法とその内容
に分けられます。
それら横浜の近代を語る生き証人の山下居留地遺跡出土物展示物の真正性や効果を表現する方法などを参加者皆さんで検討しています。
現在、展示する出土物の選択、非常に厳しい少ない予算での、展示方法の決定などの具体的作業に入っています。

 更に、保存活用展示が完成の暁にはいかに維持運営するかという問題もあります。
ただ、物が出来ました、皆さん見て下さい、というだけでは陳腐化し、やがて風化してしまいます。
山下周辺の遺構や歴史的建造物と連動し、定期的に展示物を変えたり、居留地の歴史や遺跡の価値を継承するような語り部を配したり、イベントも必要になるでしょう。

 このような遺跡の価値を継承するコア組織を構築しなければと考えていますので、今後とも皆様のご支援やご参加をお願い申しあげます。

 また、当遺跡の発掘調査と分析やまとめを行っている「財団法人かながわ考古学財団」の担当者には会議や展示物選定などにあたり、貴重な意見やアドバイスを戴いています。
多くの埋蔵文化に大きく貢献し、実績を持つかながわ考古学財団を解散して、埋蔵文化財を発掘し、守るべき行政の大きな文化的使命を自ら制限してよいのでしょうか。
将来、考古学的研究環境の質低下や文化的な閉塞状況を招くことを大変危惧しています。
行財政改革やスリム化は必要です。しかし行政が良質な文化財発掘や保護を率先しなければならない義務があると思います。

●2009.2.9【山下町B1街区遺跡活用計画ワーキンググループが立ち上がりました】

山下居留地遺跡の価値を考える会の活動も約1年を超え、様々な経緯を経て、今回、遺跡活用計画ワーキンググループが発足し、 第1回目ワークショプが開催されました。

新規に、以前より参加をお願いしていた横浜市都市デザイン室を迎え、
かながわ考古学財団発掘担当者による遺跡出土物評価を聞き、改めて遺跡価値の
貴重性を再認識し、席上活発な意見や夫々の思いが出ました。
決して満足できる保存活用予算額と言えませんが、貴重な遺跡資産を後世に残し、価値を継承するにはどのような活用法が最適かを探る、有意義な踏み出しとなる会合となったと感じ取れました。
まだ、保管所にある出土物を良く見ていないメンバーのため、その見学会を兼ねた分科会の開催を3月に行なうことになりました。

■WGメンバー
関東学院大学近代建築史水沼先生(欠席)、早稲田大学考古学菊池先生(欠席)、県県民部文化課、県教育委員会、UR都市開発、香山・アルプ設計JV、かながわ考古学財団、横浜市都市デザイン室(2名)、山下居留地遺跡の価値を考える会(8名)、 

■テーマ
1.隣接A1地区、B2地区進捗状況説明
2.山下居留地遺跡出土物評価経過説明(かながわ考古学財団)
3.遺跡保存活用に伴う予算説明
4.活用展示基本原則(都市デザイン室、考える会) 
 @歴史的建造物登録可能を目指す。
 Aオーセンテイシテイ(真正性)の確保
 B維持管理更新の体制構築
 C活用展示場所
5.3月に分科会開催予定確認…保管所見学、活用展示物選択など打ち合わせ

詳細は後日レポートいたします。

 

 
●2008.5.1【事業関係各所に対し新要望書を提出しました】

 皆様からいただいた署名を新要望書として「(仮称)山下居留地遺跡プロムナードプロジェクト」に添えさせていただいて関係各所に提出致しました。「(仮称)保存活用検討会」の発足と定期開催を提案しております。


新要望書(PDFファイル 17KB)

(仮称)山下居留地遺跡プロムナードプロジェクト(PDFファイル 124KB)

●2008.4.21【これまでの活動の成果を御報告します】

多くの方にご賛同いただきながら進めてまいりました 「山下居留地遺跡の価値を考える会の活動」について、 この度、平成20年3月31日に開催された関係者の意見交換会におきまして、未だ継続中ではありますが 一定の成果が確認されましたので、活動にご賛同をいただいた皆様に以下のように御報告申し上げます。

また、本来であれば、昨年12月に活動を初めてから現在に至るまでの途中経過を、皆様により詳細に中間でお知らせするべきではありましたが、 神奈川県、横浜市をはじめ、本敷地に関わる事業者間のデリケートな調整事項が多くあり、今日に至るまで会としての具体的な公表を
差し控える方向で進めてまいりました。

そのため非常に情報が少なく不明瞭な活動であったことをこの場をお借りしましてお詫び申し上げます。
今後は会ホームページを中心として情報発信にに努めてまいりたいと考えておりますので、
山下居留地遺跡の保存活用に向けて何卒、継続的な応援をよろしくお願い致します。
尚、これまでに約400名の皆様から御署名を頂いております。
会では近日中に「保全活用提案書」にこの署名を添えさせていただいて関係各所に提出する予定でおります。

山下居留地遺跡保存活用のこれまでの経緯の概略(PDFファイル 31KB)
平成20年3月31日山下居留地遺跡の活用方策に関する意見交換会 議事録(PDFファイル 20KB)
保存要望書(PDFファイル 18KB)
(仮称)山下居留地遺跡プロムナード整備事業の提案(PDFファイル 940KB)
(仮称)山下居留地遺跡プロムナードプロジェクト(PDFファイル 124KB)
 
●2008.1.13 【新年を迎え引き続き活動を展開しています】

新年を迎えすでに2週間ほどになりますが、当会では、県や市などの関係部署と連絡を取りながら、引き続きよりよい形での保存のための提案を積極的に行っています。

@ 先月28日以後の保存検討経過報告をお願いしたところ、県より電話にて発掘終了の報告がありました。
1月15日から遺構の解体移動予定とのことです。

A横浜市の協力をお願いするため、11日、当会作成の各資料をまとめて市長室へ持参しました。

B横浜市建築事務所協会より正式に当会賛同団体として承認を頂きました。

 
●2008.1.7 【横浜市の回答書】

6日、当会の要望書に対する横浜市の回答書が届きました。

回答書(画像PDFファイル 881KB)
 
●2007.12.31 【要望書に対する県の回答会見】
以下のように、当会の要望書に対する県の回答についての会見が行われました。
回答書及び会見でのやりとりから、記録保存の成果及び出土品の「活用」について実現可能な方策を検討する・・・といった抽象的なものでありましたが、県として今後若干前向きに検討していただける「方向性」は見られます。
しかし、当会の提案のポイントは、遺跡の価値の検証(より広く一般に公開して)、現地保存活用(遺跡プロムナード)ですので、県の回答とはまだかなり距離があります。その中で1/7より工事を着工することは変わらないと断言されています。
当会としましては、工事の工程と遺跡活用に関する県の検討結果のリアルタイムでの公開を今後も訴えかけていきます。
引き続き当会では、より多くの市民の方々に山下居留地遺跡の価値を知っていただき、それを未来へ継承していくための活動を展開していきます。ぜひ、皆さんの身近な方々に山下居留地遺跡のことをお知らせいただくとともに、署名などのご協力もお願いします。
<会見概要>

■日時および場所:12月28日 11:00〜13:00 新県庁舎5F会議室
■出席者
[県側]教育委員会関係者、県民部関係者、都市再生機構社員 計8名
[会側] 9名
■回答文書:A4版1枚回答文書はここをクリック
■会見内容:
当初、初顔合わせのため、平行線を辿り、僅かずつ話の接点を近づけ、相互ともに話し合いらしくなる。
相互の大きな相違点は当遺跡、遺構の基本的認識によるもので、県側は考古学的資料、記録のために残し、再現は考慮に値しないという考え方、遺跡の記録保存と出土品の消極的活用のみを強調。
一方、会側は遺跡遺構を移設も含めてその再現とともに展示公開とそのスペースの確保とかなりの隔たりがある。
建築計画、工費、工期ともに変更無く新年1月7日より準備工事着手を予定。
会側の県側への要望として次の3点を要請した。
1.出土品、遺構等の保存、展示方法等を県は検討し、第三者の評価を受け、開示する。
2.元町側隣接B2地区調査を重ねて強く検討要請、その実施については特に横浜市との協議を要請する。
3.特に遺構の現状位置及び状態での保存の拘泥は無用の申し入れ、遺構の再現、移設、見られる工夫、位置について検討を要請。


●2007.12.27 【県知事へ直接居留地遺跡保存提案説明会見】

12月26日午前中30分ほど知事室に於いて、遺跡の価値を考える会5名により、会が作成提案の(仮称)「山下居留地遺跡プロムナード整備事業の提案」を直接知事へ説明し、意見交換をしました。
知事も遺跡の貴重さは認識するも、県の既定路線を変更するに事は容易ではない。 提案の検討、何らかの保存を検討する、との回答でした。
これからも、会は現地保存を提唱続ける予定です。

 
●2007.12.24 【遺跡保存の画期的案が出来ました!!】

遺跡保全活用の方法を具体的に参考資料・図面にして、本日付けで神奈川県・関係各所へ提案しました!
現行計画をほとんど変えることなく遺跡も活かせる画期的な案です!

送り状(PDFファイル 24.0KB)
提案図(PDFファイル 948KB)
 
●2007.12.23 【これまでの経緯】

「山下居留地遺跡の価値を考える会について、これまでの経緯」を掲載しました。

山下居留地遺跡の価値を考える会について、これまでの経緯(PDFファイル 20.7KB)
山下居留地遺跡の価値を考える会について、これまでの経緯(HTML版・遺跡写真掲載)
 
●2007.12.20 【署名のお願い】

「山下居留地遺跡の価値を考える会へのご入会並びにご署名の御願い」を掲載しました。

山下居留地遺跡の価値を考える会へのご入会並びにご署名の御願い(PDFファイル 16KB)
メールフォームからの署名もできます。ここをクリックしてください。
 
●2007.12.18 【要望書を提出】
12月19日(水)に、県および関係各署に山下居留地遺跡の扱いに関する要望書を提出します。
要望書(PDFファイル 17KB)
 
●2007.12.13 【意見交換会を開催】
「山下居留地遺跡の価値を考える会」が発足しました。12月14日(金)に、緊急意見交換集会を開催します。
緊急意見交換集会のご案内(PDFファイル 20KB)
 

「山下居留地遺跡の価値を考える会」賛同団体等
(社)日本建築学会神奈川支所/(社)日本建築家協会神奈川地域会横浜市建築設計協同組合横浜市建築事務所協会日本都市計画家協会横浜支部(予定)/ヨコハマ洋館探偵団 神奈川地域史研究会/旧モーガン邸を守る会よこはま洋館付き住宅を考える会/市民等有志